私たちが何気なくみているワイドショー。朝、昼、夕方1時間半~2時間ずつ民放各社で放映しているものですが、日本独自の番組なのはご存じでしょうか。

 

1つの番組で、芸能、スポーツ、天気、ニュース、国際情勢、ミニ討論をカバーするワイドショー。その成り立ちと現在について説明します。

ワイドショーの時間帯は視聴率数%のデッドゾーンだった?

ワイドショーがはじまったのは1964年『木島則夫モーニングショー(テレビ朝日)』がはじまりとされていて当初は朝8時半~9時半が放映時間でした。

モーニングショーの放映時間帯は現在では『羽鳥慎一のモーニングショー(テレビ朝日)』『めざまし8(フジテレビ)』を見ても午前8時から10時前までの時間となっていて、平均放映時間は1時間半~2時間となります。

この時間帯は、’60年代では視聴率ゼロのデッドゾーンと言われたのです。その理由は以下の通りです。

  • 朝5時半~8時前の情報番組を見てサラリーマンは出勤する
  • パートの主婦も出勤してテレビの前に座っていない
  • 子供は学校に行ってしまう
  • 家にいるのは専業主婦のみ

広告収入を稼ぎたい代理店と、キー局にとってターゲットになるのは家で家事をしている専業主婦だけです。専業主婦が1時間~1時間半の間に『家事をしながらテレビを見て様々な情報を手に入れる』ためにはじまったのがワイドショーです。

ライブ視聴者に的を絞ったワイドショー

モーニングショーを製作する際に米国NBCで現在も放映されている長寿番組『TODAY』を参考にした話は有名です。ワイドショーの製作のコツは以下の通りでした。

  • 内容はライブ視聴者に的を絞る
  • 製作コストはかけない
  • 見る側の専門知識というよりは喜怒哀楽に語りかける

確かにモーニンクショーやイブニングショーを録画してまで見る人はいません。その為CMはスキップされず代理店の機嫌を損ねることもないのです。低視聴率時間を狙った情報番組は判りやすさと視聴率、喜怒哀楽を優先するあまり、番組の質が落ち、参考にしたという『TODAY』とはかけ離れた内容になったのは言う間でもありません。

考える人はワイドショーを見ない

ベテランの放送作家は『頭のいい人はワイドショーは観ない』とため息をつきます。現在のワイドショーの主な視聴者は炎上型と制裁型、傍観型に別れるからです。傍観型なら良いのですが、ネットやテレビのニュースや情報を見て論筋をたてず『自分の意見こそ正しい、何がなんでもいわないと』とクレームを入れる人が量産されるのはワイドショーの弊害です。

ワイドショーや特番など日本民放独自のテレビ番組として成り立った背景には、以下の事柄が挙げられます。

  • 頑張ってきたのだから努力は認められるべきだ
  • 自分の成功体験は評価されてもいい
  • 社会的ルールを破った人や、ずるい人は制裁されるはずだ
  • もやもやとした不満はあるけれど、専門家に代弁して貰えればスッキリする
  • 1人の意見では通らないが、他の人も同じだと思うと強くなれる

新型コロナ問題で専門家がワイドショーに呼ばれ様々な情報が行き交った末に、SNSで専門家叩きが起こるのはその典型です。頭がいい人は、他人を叩いている暇があれば情報の海から自分に相応しい情報を選んで黙って選択しています。

それが出来ない人々を作るのが情報番組の弊害なのです。

テレビ局は、それでも視聴者の期待に添える為にこれからも情報番組を作り続けるでしょう。自分が満足できない表現が少しでも挟まればチャンネルを変える視聴者の御機嫌伺いをするのです。