PRP Injections(多血小板血漿注射)は欧米では変形性膝関節症、テニス肘の緩和だけでなく、美容に効果があると言われています。
ニューヨークヤンキースの田中翔大選手が肘の手術をした後に取り入れ話題となり、海外では米ドラマ『HAWAI FIVE-0』の主演俳優アレックス・オロックリンが脊髄負傷のリハビリの為に、取り入れたことで知られました。
PRP治療とは、どの様なものでしょうか。
目次
PRP関節治療とは
PRP(Platelet-Rich Plasma)は、血小板を高濃度に凝縮し活性化させたものです。
私たちは怪我をしてきり傷ができた後、塞がりカサブタができて、元通りになります。カサブタを作って皮膚を元通りにしてくれるのは血小板の役目です。生まれつき血小板が少ない方は血が止まりにくく傷の治りも遅くなります。人の血小板には体組織の修復を促進する成分が含まれていますが、凝縮することで、成長因子を倍増します。
PRPを関節に注射するPPR関節治療は、自分の血液を採取して行う再生医療ですので、以下のメリットがあります。
- 自己血液から簡便に調整ができ、日帰りでの処置が可能
- 治療痕が残りにくく、治療回数に制限がない
- 採血と注射で完了する治療なので、血液の状態だけ気を付ければ良い
- コラーゲン注射やヒアルロン注射で、ある程度効果のあった人が効果は出やすい
- ボルトを入れるなど手術を避けられる
PRP関節注射治療の流れは以下の通りです。
治療の流れは、問診、採血、採血した血を遠心分離機にかけて血漿を取り出し、PRP治療に使う成長因子を取り出します。時間にして最短30分なので、膝や肘の痛みに悩む人にとって救世主となっています。
PRP関節治療の費用は3万から40万まで!
PRP関節治療の費用は1回3万から40万です。治療費の内訳は以下の金額が目安です。
- PRP関節注射3万円(採血20~26cc:再診料:15000円)
- PRP-FD関節95,000円(採血50cc、即日もしくは数週間後にクリニックで注射)
- GPSⅢ(132,000円)
- APS療法(片膝33万+第二種再生医療実施料)
自小規模の整形外科なら、膝関節自己負担とうたい、PRP関節もしくは、PRP-FD関節注射のみ実施しているはずです。GPSⅢや、APS療法を行う整形外科は令和初期現在も、費用が高額なこともあり、なかなか浸透しません。
APS療法とは
APS(Autologous Protein Solution(自己タンパク質溶液)療法は、PRPをさらに遠心分離、特殊加工し、炎症を抑えるタンパク質と、軟骨を守る成長因子を高める成分を抽出したものです。
がAPS。次世代PRPと言われ、以下の効果があると言われています。
- 注射は1年に1回
- 軟骨の変性、関節の痛みと炎症の軽減が期待される
- 平均して2週間で炎症を起こした組織の修復がはじまる。
- 遅くても治療後3か月ぐらい後までに効果が期待できる。
令和初期にようやく認可が下りたばかりの再生医療です。効果はあくまで1年なので、万能薬でないのがデメリットです。
PRP関節療法のデメリットは?治療ができない人はいる?
再生医療として注目をあつめているPRP療法は、美容整形の分野でも取り入れられつつありますが、デメリットもあります。一番のデメリットは『自己負担で高額なのに効果が永続的ではないこと』です。
その他にも、以下の方はPRP療法を受けられません。
- ガン治療中もしくは免疫抑制剤を飲んでる
- 感染症がある、発熱がある
- 薬剤過敏症である
- 過度の肥満である
医師が診断後に、懸念する材料として、患者の年齢、スポーツ障害なども挙げられます。折角治療したとしても、再発しては意味がないからです。
PRP関節注射療法のまとめ
PRP関節注射療法は画期的な再生療法ですが、自己負担で効果が永続的でないことは理解できます。PRP関節注射についてまとめると以下の通りになります。
- PRPは、Platelet-Rich Plasmaの略で、血小板を凝縮させたもの
- 患者の血液を20~50cc採取し、遠心分離機にかけた後、成長因子を取り出す
- PRP治療は主に関節治療に注射として使われている。
- メリットは関節治療で手術、入院する患者を減らすことができる。
- デメリットは金額。患者の自己負担で最大40万もかかる
自分の血液で体を治すことができるのですから夢のような医療なので、保険適応になれば鬼に金棒ですね。