車を代替えした後、車検証を見て『自分の車なのに名義が違う』と驚いたことはないでしょうか。
レンタカーでもないのに、車検証に使用者と所有者の2つの名義が書かれていて不信に思った方も、いらっしゃると思います。実は車を購入もしくはサブスク、法人契約にした場合、実際に運転する人と自動車を所有する名義は違うこともあるのです。
目次
車の使用者と所有者が違う3つのケース
車の使用者と所有者が違う典型的なケースは、以下の3点です。
- カーリース(車のサブスクなど)
- 業務用車両(法人契約で会社が社員に貸し出す車)
- ディーラーローンで車を購入した場合
カーリースや車のサブスクは、車の所有が貸し出した会社名義になっています。使用者は車の税金、車検代金を払わなくていい代わりに所有権をリース会社に渡すのです。カーリースは、契約した車輛によって整備料金がかかります。
営業用の車両を本社名義で所有し、支店、営業所に渡す場合は、支店や営業所に一番近い陸運局で車を登録して、所有者は営業所もしくは個人名義にします。
ではディーラーローンで車を買った場合に何故車検証の使用者と所有者が違うのでしょうか。
ローン返済後は、所有権留保解除
車のローンも、使用者名義の口座で銀行ローンを組んでいたのだとすれば、所有者、使用者は同じになる所もあります。しかしディーラーローンの場合は、ディーラーもしくはディーラーが提携している信販会社の名義になります。
支払いが終わった後、1週間~10日で、ローン会社から完済の書類が届きます。以下の書類をローン会社に送付し、所有権留保の解除をして貰いましょう。
- ローン会社から送付された完済書類
- 自動車納税証明書
- 印鑑証明書
- 車検証のコピー
- 印鑑又は委任状
- 所有権解除依頼書
- 譲渡証明書
自分で手続きをする際は、車庫証明も取る必要があります。
車の売却は所有者のみ
車を売却できるのは所有者だけです。実際に運転する使用者ではありません。
ネットオークションで購入した車の前の持ち主が、ローンを払い終えていない、もしくは名義変更を忘れていると、車の転売時にトラブルが起きます。この様なトラブルを未然に防ぐためにも、ローン完済後は、すみやかに名義変更しましょう。
車の名義変更は管轄の陸運局で可能ですが、陸運局は平日しか開いていません。道路運送車両法13条1項道路交通法により、15日以内に名義変更が求められています。万が一虚偽の報告をした場合は、道路運送車両法第109条2項により、50万円以下の罰則になるのです。
自分で手続きをする場合は車庫証明、名義変更合わせて5000円程度で済みますが、期日までに陸運局に行けないという方は、ディーラーや行政書士に丸投げするしかありません。その場合はそれなりの謝礼を要求されることも覚えておきましょう。