水害が相次ぐ中、万が一浸水した場合私たちはどうやって避難すればいいでしょうか。
意外かもしれませんが、私たちの身体はくるぶしまで水びたしになっても思うように歩けないのです。

今回は水害や台風の備えと水害をもたらす線状降水帯についても解説します。

目次

浸水50cmでは避難できない

長時間の集中豪雨により、用水路から水が溢れ道路が水浸しを通り越し激流になっているなら、
車での避難は危険です。

車は浸水30cm程で電装系がショートして動かなくなります。最近の車は電気自動車やプラグインハイブリッドが多く、機能の大半が電気系なので、水害には特に弱いのです。

浸水50cmで大人の膝までの水位になりますが、これで歩いて帰れると思うのは大間違いです。
膝までの水位、しかも激流の中ですと、つまずいただけで流されて溺死する危険性もあります。浸水20cmでくるぶしの水位ですが、疲労が蓄積した足には、20cmでも助かる見込みは薄いと言えます。

水の中では人は思う様に歩けないのです、何故なら服や靴の重さと全身の疲労が重なるからです。

浸水前に早めの避難を

線状降水帯による集中豪雨が続く場合は、早めの避難が必要です。
避難も大雨の中、市区町村や自治体から指定された、避難場所に行けば安心ではありません。

避難場所まで遠く、家の中に居た方が災害から身を守れる場合は、家のなるべく高い所、浸水被害を防げる所に行きましょう。これを垂直避難と言います。

土砂災害や洪水・浸水などは各防災アプリや大手キャリアの通知で知ることが可能です。
『大雨警戒レベルマップ(Yahoo天気・災害)』では地域の災害危険度が地図の色分けで判ります。

赤はレベル3の『高齢者避難』、紫は『全員避難』のレベル4です、黒のレベル5は『特別警報』と呼ばれるもので、近隣地域で災害が発生している危険性があるのです。

レベル5で避難しようにも自宅から一歩も出られません。避難場所に避難する、自宅の2階に行く、マンションの上の階に避難するのであれば、早めに行動をとる必要があります。

これだけの水害をもたらす線状降水帯は、いつごろから頻繁に発生するようになったのでしょうか。

線状降水帯は’10年ごろから頻繁に発生

線状降水帯は雨を降らす積乱雲が連続して発生し、上空の風の影響で帯のように連なり長時間集中豪雨をもたらす現象を言います。
積乱雲が1つであれば、雲が風に流され、雨は一時的なものになりますが、何らかの原因で積乱雲が集まり積み重なるのが原因です。

積乱雲が積み重なる要因は、海水温の上昇や大気汚染物質と言われていますが、研究は続いています。
日本では災害につながる恐れがある『バックビルティング型』と呼ばれる線状降水帯がみられます。

日本の様に海に囲まれた海洋国家なら発生するリスクは高いのですが、ここまで頻繁かつ水害をもたらすほどになったのは、’10年前後からです。急激に生活が便利になった代償を支払っていると言えます。

避難する際、長靴厳禁

水害の時に長靴は厳禁です。水が入って重くなり、動けなくなります。

脱げにくい紐靴を選び、集団行動で避難しましょう。両手が塞がらないようにし、持ち物は耐水性のバックパックに入れることも大事です。

いかがでしたでしょうか。例年気温が高くなり、台風の季節は10月上旬まで続きます。備えあれば憂いなしですので、災害を見くびらないようにしましょう。