出汁(だし)昆布と昆布巻き昆布の違いは何でしょうか。昆布を貰ってお味噌汁を作ったけれどおいしくない。その昆布、昆布巻き用かもしれません。
今回はだし昆布と昆布巻き昆布の違いを、産地、用途に分け、写真も載せて解説します。
目次
昆布巻き昆布と出汁(だし昆布の違い)
左が昆布巻き昆布で、右がだし昆布です。昆布巻き昆布は早煮昆布と呼ばれています。
昆布巻き昆布とだし昆布の違いは主に以下の通りです。
- 出汁昆布は繊維質が多く旨みが多く、煮あがりが遅い
- 昆布巻き昆布は繊維質が少なく、柔らかいので早く煮える
- 出汁昆布は、真昆布(函館、室蘭)、利尻(稚内、利尻、礼文島)昆布、羅臼(知床半島、羅臼)昆布が有名
- 昆布巻き昆布は道東(釧路、根室)産のもの、おでん、煮豆にも使われる
- 大阪では真昆布、京都では利尻か羅臼昆布で出汁を取る
- 日高昆布は出汁にもおでん用にも、関東では出汁用にも使う
最近ではパッケージにも『だし用』『早煮(昆布巻)昆布』と違いが明記されているので、間違うことは少ないです。昆布巻昆布は、この他にも『棹(さお)前昆布』と呼ばれます。
昆布が成長する5~6月に、身の柔らかい若い昆布を間引きして出荷。北陸では筍と一緒に似ます。
昆布は何故ほとんど北海道産なの
昆布は寒い海でしか育たないという特徴があり、日本で収穫される昆布の生産地は8〜9割を北海道、残りの2割前後を東北の三陸沿岸部が占めています。
冷たいを好む海藻で、成長適温は2 ~ 7℃。浅瀬である海面2~3m下、浅い所になると1m強の水の綺麗な所でしか育ちません。窒素やリン酸などミネラルが豊富だからです。
その反面生育を良くし、肉厚な昆布になるために、潮流が激しい所で育てるのが条件になります。これらの条件をクリアしているのが北海道沿岸になります。
出汁をとった後の昆布の活用法
出汁を取った後の昆布は、お酒、しょうゆ、お砂糖で甘辛く煮て佃煮にするのをお勧めします。
味も調整できますし、ご飯が進むのでお勧めです。
いかがでしたでしょうか。
産地の9割が北海道と言われる昆布。出汁昆布と昆布巻き昆布の違いだけでなく、産地の違いもお判りいただけたかと思います。
昆布は養殖に取り組む所もありますが、プロの料理人の舌はごまかせません。まだまだ改良の余地があるということですね。