電気自動車充電スタンド検索、口コミサイトでも人気の電気自動車の1つが日産リーフです。木村拓哉さんのCMでもおなじみですね。
純粋にバッテリーだけで動く電気自動車の普及率はガソリンエンジンを搭載するプラグインハイブリットを含めても僅か0.7%。
2030年には普及率を2~3割にしたいと政府は意気込みますが、ランニングコストも本体価格も安いガソリン車にかなわないのではないでしょうか?
元整備士で、日産系列の中古車を2回代替えしている筆者が、最新型リーフの試乗をしてきました。
目次
純電気自動車を作っているのは日産と三菱だけ?
電気自動車には2種類あり、バッテリーだけで動く純電気自動車と、
ガソリンエンジンを搭載しているプラグインハイブリッド車(PHV、PHEV)に別れます。
トヨタのプリウスやホンダのフィットはPHVになります。
出発地から40kmまでは電気で走りますが、それ以降や緊急時、災害時には
ガソリンエンジンの力が必要になるので、純粋な電気自動車と言えないのです。
©cleantechnica.com
その点、日本で純電気自動車を推しているのが日産と三菱です。
上記のグラフは’20年度上半期の日本の純電気自動車の販売実績ですが、
三菱と日産の販売台数が圧倒的なのが判ります。
三菱は軽自動車の i-MiEV(アイミーブ)ミニキャブのミーブ バンを発売しています。
バッテリーは、10.5kWhと16kWhがあります。
日産はリーフと、’21年発売予定のSUVアリアがあります。 アリアは、2WDと4WDから選べ、電池容量も65kWhと90kWhから選べます。
4WDは通常走行では2WDで必要な時のみ4WDに切り替わる優れものです。
とはいっても’20年冬現在、日産ディーラーに試乗車として置いてある
純電気自動車はリーフのみ。
今現在乗っている車が日産なので、リーフを試乗してきました。
まるで道路の上を走る電車の様なリーフ
リーフは日産発の純電気自動車として’10年に発売されました。
5ドアハッチバックで、最高出力は搭載されているバッテリーにより変わります。
リーフ:40kWhバッテリー:110kW (150PS)/3,283~9,795rpm
リーフe+:62kWhバッテリー:160kW (218PS)/4,600~5,800rpm
今回試乗させて頂いたのは、リーフe+です。
’20年11月末にフルモデルチェンジが行われ、本格的発売は同年12月になります。
e-Pedalって、いつも使う必要ある?
リーフの売りといえば、アクセル操作のみで、
発進、加速、減速、停止保持が可能な『e-Pedal』システム。
シフトレバーの横に親指の爪の先ほどの小さな表示があるので、見逃してしまいそうです。
e-Pedalを使った感想は『慣れが必要』の一言です。
時速40km/hぐらいで公道を走っていてアクセルから足を離すと、急ブレーキがかかった様になります。
いつも使う必要がないという事は、こちらのオーナーの方の動画が的をえていますので、参考になれば嬉しいです。 e-Pedalだけ使って運転する際には、アクセルを微妙な加減で踏むコツを覚えたほうがよさそうです。
高速道路を運転していないのでProパイロットシステムは体験できませんでしたが、自動駐車システムを体験する事は出来ました。
これは駐車したい位置を決めて後は車にお任せというものでしたが、
長年自分の腕で車庫入れをしてきた身として、あってもなくてもよいのではないかと思った機能の1つです。
車庫入れに自身がないという人には、ぴったりかもしれません。
乗り心地は快適で、全くといっていい程エンジン音はしません。
ここ数年マイカー(ガソリン車)と、近所の年期モノのハイブリット車しか運転していなかったので、動いているのかどうかも判らないほど衝撃的でした。
バッテリーに8年間補償がついているリーフ
純電気自動車といえはバッテリーの寿命が問題です。
初代リーフもその点が問題視されており、充電しても100kmしか走らない。
距離にして東京から熱海まで、大阪から兵庫県網干までです。
マイカー遠距離通勤の為に純電気自動車を購入したユーザーからは
クレームが出てもおかしくありません。
’20年現在は走行距離も伸びており、40kWhバッテリーをチョイスしても
1回の充電で250~300kmは運転できるようになりました。
8年間のうちに、バッテリー残量が7割を切っている場合は新品と交換
という嬉しいサービスもついています。
電気自動車のバッテリーが減る原因は?
バッテリーが減る要因として考えられるのは以下の通りです。
- 急速充電が多い
- 炎天下での運転(特に高速道路)が多い
- エアコン使用が多い
- 長距離を頻繁に走る
エアコンは冷房よりも暖房の方がバッテリー消費量が高く、
お勧めできないという事です。
その為リーフではシート暖房がオプションで装備されています。
日産の5ナンバー車は屋台骨だった
日産といえばバブル崩壊直後も取り扱い車種が多く、
魅力的な車種を出し続けていました。
©caranddriver.co.jp
サニー、ブルーバード、シルビア、セフィーロ、キューブ、レパード、
スカイライン、ガゼール、パルサー、プリメーラと挙げればきりがない程、
かつての日産は5ナンバーの車のラインナップと販売店が豊富で、営業の屋台骨をささえているといっても過言ではなかったのです。
ところが現在はどの車のディーラーを問わず、
車は画一的になり、面白味がなくなっているのは事実です。かつての様にドラマとタッグと組んで売れる車もありません。
5ナンバーの車の利点は実用的でありながら
デザインも豊富で中古車市場は価格が100万円台だった事も車のユーザーが増えた理由の1つです。
補助金があっても電気自動車は高嶺の花
補助金制度があったとしても純電気自動車は未だに高嶺の花です。
搭載されているバッテリーは当然の事ながら新車の方が良いですし、
ガソリン車の様に型落ちを根気よくレストアする事も出来ません。
最大のネックは車両本体価格です。
私もリーフを試乗させて頂いて、その性能の良さは認めましたが
何がネックになっているかと申しますと車輛が3ナンバーであり、
価格が400万円台なことです。
今まで中古車を100~200万円までで購入することで車検や修理費用を
賄ってきた筆者にとって、いきなり車掌本体価格が400万というのは
世の5ナンバーのガソリン車ユーザーが代替えを渋る原因になっているのではないでしょうか。
私も含め5ナンバーガソリン車ユーザーが欲しい電気自動車は、価格設定が手ごろで、長持ちするものが理想なのです。